※基本的に TRAKTOR を利用する前提で話をしています。
前置きとして
最近ではWEBで購入したデータファイルやレコードをデジタル化したライブラリ等をポータブル のストレージに詰め込んでDJをすることが増えてきています。
ストレージを持ち運ぶだけでお店においてあるCDJやDJコントローラ、ミキサーなど繋ぐだけで自宅のライブラリーでDJをすることができます。
一般的な環境だと Pioneer の CDJ が多く導入されてていると思います。
上位機種だと24bit/96kHzに対応しているので自宅のデータを余すところなく発揮できます。
ただ、上位機種でないと48kHzがまだ主流だったりしますし、しかもアナログのオーディオアウト(RCAのアンバランス)から音を出しているパターンがほとんどだと思います。
もちろん最近のCDJのクオリティーもかなり上がってきているので、昔世代のCDJのアナログオーディオアウトよりも良い音でミックスはできると思います。
しかし、デジタルアウト経由でDAコンバーターから音を出力すると数倍音がクリーンに再生されていることに気づけると思います。段違いの音が鳴ります。
だからといってDACを2〜3台 DJ をするときに持ち運ぶのはちょっと気が引けてきます。
いつも自宅で Traktor を Music(iTunes)ライブラリのプレイリストにまとめて使用しています。
普段使っているストレージをお店のシステムに接続して利用すると普段利用している見慣れたライブラリーではなく、ストレージのフォルダー階層をブラウジングするような形でしか曲を探すことができないので非常に辛いです。
しかも常にページを切り替えるとフォルダの「A」からジョグダイヤルをくるくる回して曲を探す作業になかなか慣れることができません。
普段使い慣れたアプリの見栄えで曲を探しながら DJ をすることでストレスがぐっと減ると思うと持ち運ぶ手間がかかるものの、パソコンは持参したいと思ってしまいます。
パソコンを持ち運ぶとなれば、USB ハブと USB ケーブルを一緒に持っていけば店置きの CDJ を接続することができます。
パソコンを CDJ に以下のパターンで繋ぐことができます。
・CDJ をコントローラ兼オーディオインターフェイスとして使用
・CDJ をコントローラとして使用
■CDJ をコントローラ兼オーディオインターフェイスとして使用
こちらのパターンだとパソコンと USB ハブを USB ケーブルで接続すればプレイができます。
この利用方法を行うには Pioneer のサイトからそれ用のアプリをダウンロードします。
<ダウンロードサイト>
Windows はドライバーが対応しているので、上記アプリは必要なしとのことです。
利用方法は簡単でアプリを開いて CDJ を選択してあげると Traktor が認識するので選択するだけです。
非常に簡単ですが、オーティオの品質が CDJ に依存するので、最上位機種でないと音質が少し低くなるようです。
■CDJ をコントローラとして使用
こちらのパターンは CDJ をコントローラとして利用しますが、別途オーディオインターフェイスを用意する必要があります。
逆に言うとお好みのオーディオインターフェイスで DJ をすることが可能になるので自由度が高いとも言えます。
せっかくパソコンを持参するのであればオーディオインターフェイスも持参することをおすすめします。
流石に DJ コントローラまでは持参せずに店置きの CDJ でコントロールすれば大丈夫です。
※ CDJ 側の設定は付属のマニュアルでご確認ください。
やはり見慣れたユーザーインターフェイスでライブラリから選曲をして、妥協のない音質でデジタルDJをこなそうと思うとPCとオーディオインターフェイスは持ち歩きたい、という結論に至っております。
オーディオインターフェイスを選んでみよう
オーディオインターフェイスと言っても色々とあるので悩ましいところです。
最低限必要なスペックとしては以下。
・24bit/96kHz (ビットレート/サンプリングレート)
・ステレオアウトが2系統
・MIDI OUT
ビットレートやサンプリングレートは数値が多いほどきめ細かく音をデータから再構築(または録音)します。
もちろん録音されたフォーマット以上のクオリティーは出せませんが、録音したときより低いクオリティーの環境で利用するとせっかくのライブラリーが可愛そうです。
ここは一つ思い切ってレコードのコレクションを 24bit/96kHz でデータ化してしまいましょう!
次はアウトプットの数ですが、最低限でも2系統のステレオアウトが必要です。
使い方としては、デッキ1、デッキ2をそれぞれのステレオアウトから出して DJ ミキサーで音量を調整し、ミキサー側でそれぞれのキューをモニターします。(External Mixing Mode)
別の使い方としては、2系統使うのは同じなのですが、1系統に Traktor のマスターアウトをアサインして、もう一系統にモニターアウトをアサインします。(Internal Mixing Mode)
いずれの方法を利用する場合でも MIDI コントローラーは必要に鳴ります。よくある DJ 用のコントローラでも良いですし、汎用の MIDI コントローラーでも大丈夫です。
Mixing mode を External で使うときの利点としては、曲をミックスするときに DJ ミキサーの音の特性を利用したミックスをすることができます。UREI や BOZAK などのビンテージのミキサー等を使っている人はそのミックスのフィーリングやテイストをそのまま利用してミックスできます。
一方 Internal で使うときの利点としては、そういった混ざり具合のフィーリングはソフトウェアに依存してしまうもののコントローラ側が 4 デッキ分コントロールできる場合には 4 台のデッキを使ってミックスができます。あとエフェクトもポストフェーダー(チャンネルのボリュームの後でエフェクトがかかる)のエフェクトも利用できるので、ディレイをぐわんぐわんにかけて元音を消しておく、みたいなことが簡単にできます。Traktor のエフェクトを使っている場合には便利な飛び道具なのでできれば使いたいです。ミキサーの入力チャンネルも節約できますし。
こちらの動画は Internal Mixing Mode デミックスをしています。
SSL 2+ と novation Launch Control XL を使っています。
最後は MIDI OUT です。これはオーディオインターフェイスを選ぶにあたって自分としては、必須項目です。
オーディオインターフェイスの MIDI OUT へドラムマシーンを同期させたり、ステップシーケンサーを同期させてシンセサイザーの鳴らすこともできます。これができればレコードとドラムマシーンやシンセサイザーを同期させることも簡単に実現できます。
こちらの動画では実際にドラムマシンとレコードをミックスしています。
といった感じですっかりデジタルフォーマットであったり、デジタル機材はうまく付き合っていくことでこれまでと違った幅の広がりが生まれると思っております。
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